- DENアーキテクツ一級建築士事務所
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建築計画の企画・設計・監理
エコと省エネを考える
世界の経済状況がめまぐるしく変わる今日、ここまで短期間にエネルギー事情が変わってしまうと住宅で利用するエネルギーも再度見直す必要がでてきました。
単に断熱性や気密性の住宅性能だけではなく、給湯器・調理器具・冷暖房設備・電気・ガスなどすべてにおいて今までの考えを数歩進めて考えなければなりません。
エネルギー源には太陽光の発電システムやガス利用の燃料電池・さらに蓄電や地中熱利用などいろいろな技術がこの数年で住宅の設備に利用可能となってきます。
実際にいろいろな業種の業界が住宅に対するエネルギー利用の方法について模索しています。
そのなかでどのようなシステムや考え方が計画する家に合うものかを、予算や利用方法も含め話し合いながら選択する御手伝いをさせていただきます。
日本人の生活様式は1年を通して四季のある自然がベースになっていると思います。
そこでエコな家造りを考えた場合それは、いろいろな意味でできるだけ環境に負荷をかけないということでしょうか。
それは四季を利用したプランニングに加え、その考えのもとに現在有る技術を利用することで無理のないエコな家造りができるわけです。
そのなかではやはり太陽光をできるだけ積極的に使う家を考えることをお勧めします。
太陽光というエネルギーはいまのところ無尽蔵です。なんとか地球に降り注ぐこのエネルギーを使わない手はありません。ただこれだけですべてのエネルギーを賄うにはまだ難しいものがあります。
現段階ではいろいろなところから少しづつ取り出し、弱い面を補うような組み合わせの発想必要です。
組み合わせはいろいろあります。単に太陽光発電や風力が再生可能エネルギーの代表のように扱われていますが、もっと多様種の方法が有ります。
自分の考えや建物の特性・地域の特性に合った方法を考えてゆくことが、原子力に頼らない世界を創造することができると覆います。
住宅のエネルギー源
住宅には明かりを灯すエネルギー・機器を動かすエネルギー・暖や涼をとるためのエネルギーなどがそれぞれ必要です。
従来それは電気とガスもしくは電気と灯油などで補ってきました。
現在その組み合わせはいろいろ有り、どれが良いのか迷うところです。
そのようななかで、実際に使用可能な設備を考えてみました。
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太陽光発電とオール電化
太陽光発電パネルを屋根面に設置し家庭で利用する電力の一部をまかなうシステムですが、現在はそれをさらにオール電化と組み合わせています。
太陽光発電は発電している時間帯と家で電気を使用する時間帯が違うのが問題です。
そこで昼間の余剰電力を売り、一番多く使用する時間帯の電気は電力会社から買い、深夜の使用される率の少ない安い余剰電力を買いそれを有効に利用するというシステムです。
本当は太陽光で発電した電力は蓄電して使用できると良いのですがまだ技術的に改良されている段階です。
現在いろいろなメーカーが住宅用のバッテリーや燃料電池の開発に力をいれています。
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太陽光発電とガスによる燃料電池
ガスの中から水素を抽出し、それを利用した燃料電池を家庭用電力に利用します。
また発電中の排熱で家庭に必要なお湯を沸かし、これを太陽光発電と併用することで、全体としてより効率の良いシステムを構築します。
燃料電池の発電量は1kWhで、それ以上だと排熱分のエネルギーが使いきれなくなる場合が有り、そのバランスを考えるとこの組み合わせが良いわけです。
このシステムはガス会社がメインに推し進めていますが、震災後は注目されています。
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太陽熱利用
太陽から直接得られるエネルギーは太陽熱ですが、かなり前から住宅の屋根に乗っているものがこのシステムです。
一番単純に太陽熱でお湯を沸かしそれとボイラーの併用をするシステムです。
このシステムはさらに少し発展させ、太陽熱で暖めた温水を床下の蓄熱層と給湯に利用できるようにしたシステムです。
太陽熱利用はお湯を沸かすだけではありません
空気を暖めるということに特化させたシステムを考えても良いのです。一般にはOMソーラーなどと呼ばれているタイプの太陽熱利用です。
少し大がかりになりますが、冷暖房と給湯システムのなかに組み込むことも可能です。
現在はこの集熱器に使われている場所、いわゆる湯を沸かすパネルに真空管を採用することで外気の温度に左右されずに太陽熱を集熱する、とても効率の良いシステムが有ります。
氷点下の外気温のなかでも太陽さえあれば集熱が可能なため、熱変換効率が60%を超えます。
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自然のめぐみ
太陽光・風力・水力・地熱などのエネルギーや雨水利用。木・土・石をベースに製造負荷のあまりない建材の利用。それらはすべて自然の有効な利用となるわけです。
風力発電
家庭用に2kWh程度のものまで有りますが、風に左右されるために安定した電力が確保できないので、家庭用主電力には変換できません。バッテリーに充電させてからの利用になります。
また風切音が以外にうるさいため、対策も必要です。ただ大きなものでなければ比較的手軽に設置できるので、現在のようにLEDライトが照明の主流になりつつある現在は利用方法はいろいろ考えられると思います。
雨水利用
雨の多い日本は雨水利用にはもってこいの国です。大気の汚染や粉じんなどの影響を受けないように、初期雨水をカットすればかなりきれいな水を集めることができます。
単純に雨どいからタンクに集めるだけで、思った以上の水を貯めることができます。
東京の墨田区では区をあげて大規模な雨水利用をしています。
トイレの流水や飲料以外の水として家の中に引き込むことは可能ですが、施設費用が大きくかかってしまうので個人住宅では庭の水撒き用程度の利用が現実的だと思います。
地中熱利用ヒートポンプ
一般にヒートポンプというと通常エアコンのシステムがそれです。外部に設置した屋外機で外気と熱交換する訳です。冷房の場合外部の空気に内部の熱を放出し暖房の場合外気の熱を内部に取り入れているわけですが、それを地中熱でやろうということです。
地中熱は外気と違い一年中安定して快適温度に近いため、それを利用しようというものです。
ただ地面をボーリングする必要があり、家庭用には復旧していません。
地中熱利用のサーマスラブ
家の基礎下で外壁から1m程度中心側に入ったところの温度は1年中ほぼ18度ぐらいで安定しています。上記のシステムは安定した温度を地中深く求めているのですが、このシステムは表層でもある程度安定している温度に着目して、基礎自体を暖めてしまおうというものです。
電気で基礎下の土を暖めてしまおうというもので、多くの深夜電力を使用しますが、通常の深夜電力からさらに減額された料金体系ですし夜間の余剰電力を利用するので、環境負荷は多少なりとも押さえられると思われます。深夜に基礎を暖めてしまうので、昼間はその放出熱で家ごと暖まってしまいます。
外気が氷点下になるような場所でも家の中は20度以上を安定的に確保できます。このシステムは私共も採用してみましたが、現在もかなり有効に運転されています。施工実績も2万棟以上有ります。
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緑化で遮熱
太陽のエネルギーはコントロールする必要もあります。緑でコントロールできれば楽しげです。
屋上緑化
住宅の屋上緑化はちょっと特殊ですが可能です。構造が木造である場合などは重量やメンテナンスに気をつけなければなりませんが、遮熱効果は抜群です。
環境先進国のドイツなどではよく見られる光景です。余裕があればやってみたいですね。
壁面緑化
屋上緑化同様、壁面の日射調整を行います。ただし住宅本体を直接緑化すると建物も痛みますので、できるだけ建物から少し離した状態で考えると良いと思います。
昨今専用の簡単な壁面緑化システムも市販されています。
このように建物の外側で熱を遮るということがとても大事な観点です。
これがいわゆる外断熱の原点です。建物に熱負荷をかける前にその原因を取り除くことはとても効果の有る事です。
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建物の断熱化
いくら良い自然エネルギーを得られたとしても、建物からそのエネルギーを容易に逃がしてしまったのでは意味が有りません。昨今いろいろな断熱材や工法が溢れていますが、断熱の基本を押さえた家造りをすれば、なにも高い断熱材を使用する必用はありません。
いままで一般的に行われている断熱工法には落とし穴が有り、いくら断熱効率の良い高い材料を使用しても、施工者の認識の甘さでその材料の能力がまったく発揮されない事例がかなり多く見られます。そんなノウハウをたっぷり建物に反映できるのは私たちです。